デシタルツール

こんな文章があります。

　人間は学ぶことのできることしか学ぶことができない。
（中略）
　私達が「この先生から私はこのことを教わった」と思っていることは、実は私が「教わったと思い込んでいること」であって、先生の方にはそんなことを教える気がぜんぜんなかった、ということがります。
　というか、教育というのは本来そういうものなんです。
　生徒達は教壇の向こう側から語りかけてくる人のことばを聞いています。そのとき生徒たちが聞いているのは、実は全員が別のことばです。
　ことはは同じなのですが、解釈が違うからです。
……………
……（後略）

「ことばは同じなのですが、解釈が違うからです。」成る程。
全く、言われてみたら本当にそのとうりですね。言葉は同じだけれど、意味が違う。
まるでタレスじゃないですか。
哲学者タレスの“万物の根源は水である”とした言葉、タレスが何を持ってして“水”と言ったのかは最早誰にも判らないわけですが、ただの水、つまりH2Oだけではないかも知れないわけです。万物の根源とする何か、タレスが感じた何かをタレスは“水”としたのかもしれません。でも後世の人々には、というか他人には“水”は唯一つの意味しか持たないわけです。
つまりわたしの感じる言い表しようのない“怒り”は言葉にしたとたんに世間一般の“怒り”にかわってしまう、のと同じです。“なんだかよく判らないけれど気分が悪い。腹の虫の居所が悪い。”これにもしかしたら悲しみや、憎しみや、勿論怒りや、もしかしたら嬉しさがあるのかもしれません。けれどそんな複雑な思いも言葉に置き替えると一瞬にして単純なものに変わりますね。そんなもんです。
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…

眠……。続きがあるとしたら、また明日にします。