八月の読書日記。好みとしては米澤穂信、恒川光太郎がお気に入り。ミステリ、推理が割と好き。自分から手を出すことは少ないが、推されると弱い。基本的に濫読派。 不定期更新です。キーワードは『宵の徒然』
これは完全に蛇足になるけれど、と言うか文章の頭に“蛇足”がくるなど有り得ないのだけれど、敢えて蛇足として。
わたしは、ぼくこと巣籠カナに共感できることなど、何一つ、持ち合わせてなんかいなかった。
わたしは15才の時、高校受験期、ただのんべんだらりと勉強して、高校生を夢見ることなく、勉強もしないでゲームやったり本読んでたりしている子供だったから。
大人になったって構わなかった。
ピーター・パンなんて格好悪いと思ってた。
大人になることに夢を描いていたワケじゃないが、大人になりたくないと、夢を見るワケでもなかった。
まぁ、それはさておき、
『推定少女』(桜庭一樹/角川文庫)
読了~
すごい吸引力ですねこれ。ダイソン並だよダイソン。
頭の中引っ掻き回された。
もぅ、わたしの目は字なんて追ってなかった。
わたしの指はページなんてめくってなかった。
わたしの肌は扇風機の風なんて感じてなかった。
わたしの耳は、耳には少し邪魔されたけれど。
ぼくの読書スタイルとして[音楽と共に]って選択肢がないのは、こういう理由で 笑
自己分析の結果として、わたしは割りと本の中に没頭する方だと自負しています。
さっき挙げたやつ、別にこの作品に限ったことではないのです。
目には文字じゃなくて物語の世界が写って、ページっていつの間にめくられてるの? みたいな。
でもこの作品、ちょいと度を越してます。
解説の言葉を借りるなら、「エモーションで埋めつくす」。
目は巣籠カナの目になって、四肢は巣籠カナの四肢に、心は巣籠カナの心に、なってしまうのですよ。しまったのですよ。
脳髄ごと巣籠カナに乗っ取られた感じですかねぇ。
たとい、この作品が、一人称自分視点型(※)だと言うことを差し引いても、この共感は何なのだろう。
冒頭でも述べましたが、落ち着いて考えてみると、わたしは巣籠カナに何一つ共感できません。
この“家出少女”とわたしでは違うところが多い。共感するには、違いが多過ぎでした。
まぁ、ここでわたしの人生観の話しにすり替えるのも吝かではありませんが、そういうのは難なので。なので、話しは堂々巡り。最初の主張に戻るワケで、
巣籠カナに脳髄ごと乗っ取られました。
それくらい文章に力がある。
あぁ、小説ってこういうものを指すのかな。テンポの良い文章ってこういうものなんだろうか。
わたしの読書として、“物語の世界に放り込まれる”っていうのはつくづく得な感覚だと、こういうときに思います。
わたし自身も何かしらの考えを持っていて、この世界に対して感じるところもあります。
でも本を読んでいるその間、別の考えを知れるし、別の感じを感じられる。それこそ、巣籠カナになってしまったかのように。
読書の間、別の人間になって、別の世界に生きることができるこの感覚。
「僕は得してる」とか思っていたのですが、
でも違ったんですね。
この作品なら、桜庭さんなら誰もをその世界に引きずり込むんじゃないか、巣籠カナに脳髄を乗っ取らせてしまうのではないか、
そんな風に思ってます。今。
内容★★★☆☆
文章★★★★★
総合★★★★☆[優]
※全てに於いてわたしの主観です。
※再度読むことで全く違う印象を受けるかもです。
※わたしが決定的に読解力に欠けているのかもしれません
(※)
いちにんしょうじぶんしてんがた
【一人称自分視点型】
造語。
個人的に一人称の小説を大別するときに使う。今作った。
主人公を指す言葉として一人称代名詞を使う。
地の文に主観が混ざる。
心情を口語みたいな言葉で以て直接に表す。
または暗諭で以て間接に表す。
一番読み手の共感を得られ易いと思う。
例として、『推定少女』『氷菓』等。
いちにんしょうたにんしてんがた
【一人称他人視点型】
造語。
個人的に一人称の小説を大別するとき使う。一人称自分視点型と区別する為に今作った。
主人公を指す言葉として本人の名前を使う。
地の文に主観が混ざる。
心情を「○○は~と思った」のように人事みたいに表す。
または暗諭で以て間接に表す。
割りと三人称の小説に近いと言うか、もしかしたらそのものかも。
例として、『探偵ガリレオ』『扉の外』等。
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わたしは、ぼくこと巣籠カナに共感できることなど、何一つ、持ち合わせてなんかいなかった。
わたしは15才の時、高校受験期、ただのんべんだらりと勉強して、高校生を夢見ることなく、勉強もしないでゲームやったり本読んでたりしている子供だったから。
大人になったって構わなかった。
ピーター・パンなんて格好悪いと思ってた。
大人になることに夢を描いていたワケじゃないが、大人になりたくないと、夢を見るワケでもなかった。
まぁ、それはさておき、
『推定少女』(桜庭一樹/角川文庫)
読了~
すごい吸引力ですねこれ。ダイソン並だよダイソン。
頭の中引っ掻き回された。
もぅ、わたしの目は字なんて追ってなかった。
わたしの指はページなんてめくってなかった。
わたしの肌は扇風機の風なんて感じてなかった。
わたしの耳は、耳には少し邪魔されたけれど。
ぼくの読書スタイルとして[音楽と共に]って選択肢がないのは、こういう理由で 笑
自己分析の結果として、わたしは割りと本の中に没頭する方だと自負しています。
さっき挙げたやつ、別にこの作品に限ったことではないのです。
目には文字じゃなくて物語の世界が写って、ページっていつの間にめくられてるの? みたいな。
でもこの作品、ちょいと度を越してます。
解説の言葉を借りるなら、「エモーションで埋めつくす」。
目は巣籠カナの目になって、四肢は巣籠カナの四肢に、心は巣籠カナの心に、なってしまうのですよ。しまったのですよ。
脳髄ごと巣籠カナに乗っ取られた感じですかねぇ。
たとい、この作品が、一人称自分視点型(※)だと言うことを差し引いても、この共感は何なのだろう。
冒頭でも述べましたが、落ち着いて考えてみると、わたしは巣籠カナに何一つ共感できません。
この“家出少女”とわたしでは違うところが多い。共感するには、違いが多過ぎでした。
まぁ、ここでわたしの人生観の話しにすり替えるのも吝かではありませんが、そういうのは難なので。なので、話しは堂々巡り。最初の主張に戻るワケで、
巣籠カナに脳髄ごと乗っ取られました。
それくらい文章に力がある。
あぁ、小説ってこういうものを指すのかな。テンポの良い文章ってこういうものなんだろうか。
わたしの読書として、“物語の世界に放り込まれる”っていうのはつくづく得な感覚だと、こういうときに思います。
わたし自身も何かしらの考えを持っていて、この世界に対して感じるところもあります。
でも本を読んでいるその間、別の考えを知れるし、別の感じを感じられる。それこそ、巣籠カナになってしまったかのように。
読書の間、別の人間になって、別の世界に生きることができるこの感覚。
「僕は得してる」とか思っていたのですが、
でも違ったんですね。
この作品なら、桜庭さんなら誰もをその世界に引きずり込むんじゃないか、巣籠カナに脳髄を乗っ取らせてしまうのではないか、
そんな風に思ってます。今。
内容★★★☆☆
文章★★★★★
総合★★★★☆[優]
※全てに於いてわたしの主観です。
※再度読むことで全く違う印象を受けるかもです。
※わたしが決定的に読解力に欠けているのかもしれません
(※)
いちにんしょうじぶんしてんがた
【一人称自分視点型】
造語。
個人的に一人称の小説を大別するときに使う。今作った。
主人公を指す言葉として一人称代名詞を使う。
地の文に主観が混ざる。
心情を口語みたいな言葉で以て直接に表す。
または暗諭で以て間接に表す。
一番読み手の共感を得られ易いと思う。
例として、『推定少女』『氷菓』等。
いちにんしょうたにんしてんがた
【一人称他人視点型】
造語。
個人的に一人称の小説を大別するとき使う。一人称自分視点型と区別する為に今作った。
主人公を指す言葉として本人の名前を使う。
地の文に主観が混ざる。
心情を「○○は~と思った」のように人事みたいに表す。
または暗諭で以て間接に表す。
割りと三人称の小説に近いと言うか、もしかしたらそのものかも。
例として、『探偵ガリレオ』『扉の外』等。
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