八月の読書日記。好みとしては米澤穂信、恒川光太郎がお気に入り。ミステリ、推理が割と好き。自分から手を出すことは少ないが、推されると弱い。基本的に濫読派。 不定期更新です。キーワードは『宵の徒然』
『鴨川ホルモー』(万城目学/角川文庫)
読了~。
ぅん。おもしろいよ。噂に違わず、ね。僕は好きだった。
と、いうのが、一先ずの感想。人に訊かれたら、こう答えるでしょう。
まるっきりの嘘ではありませんし。
けれど……
面食らったって言うのが、正直な感想。
『これってファンタジーだったの!?』
みたいな。聞いてない。
今更粗筋を書かにゃならん程無名な作品ではないでしょう。
一言で言うなら、裏表紙の言葉を借りて、
『京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻』
『前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居』
みたいな感じ。
――これだけではさっぱりですが、それはそれは見事な七五調で、見事に心を鷲掴みにされたことをここに白状致しましょう。
とまれ、これだけではファンタジーだとは解らなかった。
何と言うか……全体的に、
ローファンタジーとしては少し物足りない。
青春小説としてはやゃ心理描写に難あり。流れも早くてあっさりし過ぎな感も。
といった感じ。
日本古来のなんちゃらや、中国伝来のなんちゃらとかは設定として好きですが、ちょいとあっさりしていると言うか……しっくりこない。
無闇に煙に巻かれ続けた、といった雰囲気。
さながらスガ氏のように、ね。
最後の“ホルモー”に関する真実は主人公の推測でしかないし、“オニ”達の弱点も、推測。
勿論、魑魅魍魎達は実際に伝来として伝わるもののように見受けられましたし、テキトーな設定にしたくなかったのかもわかりません。
それに正直、
『実はこうこう、こういうワケで弱いフリをしていたんです』
って言ってから、手の平を返したように攻勢に転じる某少年漫画のような展開は嫌いです。芸がない。
文章に関して言えば、文句なしに百点!
……と、行きたいところですし、限りなく百点に近いのですが、やゃ、一部で興ざめの点が……
それは主人公と、とある女性キャラクターの壮絶な告白のシーン。
一人称+暗い心境+雨
というのはよく見かける図式で、わたしも嫌いじゃないのですが、何だか魅せ切れていないな、とか。思ってみたり。
これはわたしにとってはかなり悪い批評なのですが、
……いいかい、傍点付きで読んで。
読んでいながら自室にいることに気付かせてしまう。
ふとした瞬間に文字列を読んでいることを気付かせてしまう。
そんな文章っていうのは致命傷に近い。
まぁそれはわたしに限ってのことかもしれませんけれどね~。
本を読んでいる最中は、
文字を読む→意味を拾う→頭の中に世界が展開
って感じじゃありませんから。
文字は読むものではない感じ。上手く言えないですけれど。
でもその他の台詞の言い回しとか、大分好みです。好物です。
比喩表現が冴えて、
無闇に情緒的じゃなくて、
主人公の割り切った性格がいぃ感じです。
何だかんだ言いましたけれど、
作品(内容)★★★☆☆
文章★★★★☆
総合★★★★☆[優]
※全てに於いてわたしの主観です。
※再度読むことによって全く違った印象を受けるかもです。
※わたしが決定的に読解力に欠けているのかもしれません。
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読了~。
ぅん。おもしろいよ。噂に違わず、ね。僕は好きだった。
と、いうのが、一先ずの感想。人に訊かれたら、こう答えるでしょう。
まるっきりの嘘ではありませんし。
けれど……
面食らったって言うのが、正直な感想。
『これってファンタジーだったの!?』
みたいな。聞いてない。
今更粗筋を書かにゃならん程無名な作品ではないでしょう。
一言で言うなら、裏表紙の言葉を借りて、
『京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻』
『前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居』
みたいな感じ。
――これだけではさっぱりですが、それはそれは見事な七五調で、見事に心を鷲掴みにされたことをここに白状致しましょう。
とまれ、これだけではファンタジーだとは解らなかった。
何と言うか……全体的に、
ローファンタジーとしては少し物足りない。
青春小説としてはやゃ心理描写に難あり。流れも早くてあっさりし過ぎな感も。
といった感じ。
日本古来のなんちゃらや、中国伝来のなんちゃらとかは設定として好きですが、ちょいとあっさりしていると言うか……しっくりこない。
無闇に煙に巻かれ続けた、といった雰囲気。
さながらスガ氏のように、ね。
最後の“ホルモー”に関する真実は主人公の推測でしかないし、“オニ”達の弱点も、推測。
勿論、魑魅魍魎達は実際に伝来として伝わるもののように見受けられましたし、テキトーな設定にしたくなかったのかもわかりません。
それに正直、
『実はこうこう、こういうワケで弱いフリをしていたんです』
って言ってから、手の平を返したように攻勢に転じる某少年漫画のような展開は嫌いです。芸がない。
文章に関して言えば、文句なしに百点!
……と、行きたいところですし、限りなく百点に近いのですが、やゃ、一部で興ざめの点が……
それは主人公と、とある女性キャラクターの壮絶な告白のシーン。
一人称+暗い心境+雨
というのはよく見かける図式で、わたしも嫌いじゃないのですが、何だか魅せ切れていないな、とか。思ってみたり。
これはわたしにとってはかなり悪い批評なのですが、
……いいかい、傍点付きで読んで。
読んでいながら自室にいることに気付かせてしまう。
ふとした瞬間に文字列を読んでいることを気付かせてしまう。
そんな文章っていうのは致命傷に近い。
まぁそれはわたしに限ってのことかもしれませんけれどね~。
本を読んでいる最中は、
文字を読む→意味を拾う→頭の中に世界が展開
って感じじゃありませんから。
文字は読むものではない感じ。上手く言えないですけれど。
でもその他の台詞の言い回しとか、大分好みです。好物です。
比喩表現が冴えて、
無闇に情緒的じゃなくて、
主人公の割り切った性格がいぃ感じです。
何だかんだ言いましたけれど、
作品(内容)★★★☆☆
文章★★★★☆
総合★★★★☆[優]
※全てに於いてわたしの主観です。
※再度読むことによって全く違った印象を受けるかもです。
※わたしが決定的に読解力に欠けているのかもしれません。
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