八月の読書日記。好みとしては米澤穂信、恒川光太郎がお気に入り。ミステリ、推理が割と好き。自分から手を出すことは少ないが、推されると弱い。基本的に濫読派。 不定期更新です。キーワードは『宵の徒然』
『カンニング少女』(黒田研二/文春文庫)
読了~
いゃ、衝動買いがこんな大当り、ということははなかなか巡り逢えるものではありません。
とは言え、西尾維新に巡り逢った奇跡には劣りますけれどね。
粗筋を一言で言うなら、
『カンニングを武器に受験戦争に挑め!!』
と言ったもの。
はっきりずばっとばっさり言ってしまうなら、基本的に夢物語。
でも、確かに不可能ではない。
そんな青春物語。
文章がやゃ説明口調になっているのは、物語の性質上不可避でしょう。どっぷりと活字の世界に浸る、といった趣ではありませんでした。
一人称多視点型とでも言うのか、ヒロインの女の子ともう一人の2パートが代わりばんこに展開していきます。
ぶっちゃけてしまえば、それ自体が“学校側VSヒロイン達”の構図。
……でありながら、物語の真相に近付いていく重要な構成。
なのかな?
さりげなく張られている伏線や、なんやらは(あぁ、言ったらネタバレだぁ……)、流石に推理小説作家。
逆転裁判のコミック版も見事でした。
全ての事柄にきれいさっぱり片が付き、さらにそれが後付けの理由ではない。と言うのが大好きなわたしには、たまりません。
物語としては、甘すぎずかつ温かく、程よいそれはまさに自家製いちごジャムのよう。
少年少女の心情も、何とは無しににすっきりと表現されていて、いぃ感じです。
大学受験がテーマであるから、途中に挟まれる問題も、確かに難しいもの。
でも最後の問題を目にしたときには体の震えが止まらず、ちょっと考えれば、思い浮かびそうなありきたりな展開ではありながら、その見事な展開にはある種の鱗が目から落ちる有様。
カンニングに不可欠な大切な要素、それがこの小説には詰まっています。
ただ一つ難点を上げるとしたら、悩みに悩んでから、ヒロインの友人達のことを挙げるでしょう。
だけれど……
それこそが、主題。
それこそが、青春小説の代表格が“教養小説(ビルドゥングスロマン)”にも数えられる所以です。
少女の成長とは、これいかに。(←煽り文句)
では最後に解説から一説を引用させて頂だいてから筆(携帯)を置きましょう。
『考えてみれば、テーマはカンニングなのである。 cunning とは本来「狡い」という意味だ。英語では試験での不正行為に「騙す」という意味の cheating という語を当てる。狡さを存分に発揮する高校生たちが、なぜこんなに爽やかなのか。これこそ最大の cheating (騙し)だろう。』
大矢博子(書評家)
内容★★★★☆
文章★★★★☆
総合★★★★☆[優]
※全てに於いてわたしの主観です。
※再度読むことによって全く違った印象を受けるかもです。
※わたしが決定的に読解力に欠けているのかもしれません
§コメントありがとうございます(反転?):
サカつく先生!お久しぶりです。
どうやら何度も足を運んで頂けたようでホントにありがとうございます!
あまりに更新がなさすぎたので、心機一転別の方向にしてしまえと、このような形に。
活字の捉えかたは……何と言うか、感覚的なもので……表現しにくいです。集中しだすと文字を通すことなく頭に場面が展開する感じですかね~。
ではでは、またのお越しをお待ちしています~。
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読了~
いゃ、衝動買いがこんな大当り、ということははなかなか巡り逢えるものではありません。
とは言え、西尾維新に巡り逢った奇跡には劣りますけれどね。
粗筋を一言で言うなら、
『カンニングを武器に受験戦争に挑め!!』
と言ったもの。
はっきりずばっとばっさり言ってしまうなら、基本的に夢物語。
でも、確かに不可能ではない。
そんな青春物語。
文章がやゃ説明口調になっているのは、物語の性質上不可避でしょう。どっぷりと活字の世界に浸る、といった趣ではありませんでした。
一人称多視点型とでも言うのか、ヒロインの女の子ともう一人の2パートが代わりばんこに展開していきます。
ぶっちゃけてしまえば、それ自体が“学校側VSヒロイン達”の構図。
……でありながら、物語の真相に近付いていく重要な構成。
なのかな?
さりげなく張られている伏線や、なんやらは(あぁ、言ったらネタバレだぁ……)、流石に推理小説作家。
逆転裁判のコミック版も見事でした。
全ての事柄にきれいさっぱり片が付き、さらにそれが後付けの理由ではない。と言うのが大好きなわたしには、たまりません。
物語としては、甘すぎずかつ温かく、程よいそれはまさに自家製いちごジャムのよう。
少年少女の心情も、何とは無しににすっきりと表現されていて、いぃ感じです。
大学受験がテーマであるから、途中に挟まれる問題も、確かに難しいもの。
でも最後の問題を目にしたときには体の震えが止まらず、ちょっと考えれば、思い浮かびそうなありきたりな展開ではありながら、その見事な展開にはある種の鱗が目から落ちる有様。
カンニングに不可欠な大切な要素、それがこの小説には詰まっています。
ただ一つ難点を上げるとしたら、悩みに悩んでから、ヒロインの友人達のことを挙げるでしょう。
だけれど……
それこそが、主題。
それこそが、青春小説の代表格が“教養小説(ビルドゥングスロマン)”にも数えられる所以です。
少女の成長とは、これいかに。(←煽り文句)
では最後に解説から一説を引用させて頂だいてから筆(携帯)を置きましょう。
『考えてみれば、テーマはカンニングなのである。 cunning とは本来「狡い」という意味だ。英語では試験での不正行為に「騙す」という意味の cheating という語を当てる。狡さを存分に発揮する高校生たちが、なぜこんなに爽やかなのか。これこそ最大の cheating (騙し)だろう。』
大矢博子(書評家)
内容★★★★☆
文章★★★★☆
総合★★★★☆[優]
※全てに於いてわたしの主観です。
※再度読むことによって全く違った印象を受けるかもです。
※わたしが決定的に読解力に欠けているのかもしれません
§コメントありがとうございます(反転?):
サカつく先生!お久しぶりです。
どうやら何度も足を運んで頂けたようでホントにありがとうございます!
あまりに更新がなさすぎたので、心機一転別の方向にしてしまえと、このような形に。
活字の捉えかたは……何と言うか、感覚的なもので……表現しにくいです。集中しだすと文字を通すことなく頭に場面が展開する感じですかね~。
ではでは、またのお越しをお待ちしています~。
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