八月の読書日記。好みとしては米澤穂信、恒川光太郎がお気に入り。ミステリ、推理が割と好き。自分から手を出すことは少ないが、推されると弱い。基本的に濫読派。 不定期更新です。キーワードは『宵の徒然』
『岡崎泰葉とメロンパン合同』(略して「岡メロ合同」)
という合同誌が、2016年9月25日のカラマスセブンにて頒布されていたそうです。
一応、「岡崎泰葉をメインにした初の合同誌」を銘打って頒布されたもの。
そうですというのは、私は会場に行くどころかイベントの日時すら把握していなく、
「TLでネタにされていたものがどうやら合同誌として結集するらしいな」
という程度にしか思っていなかった。なので他人事なのだ。
結果として岡メロ合同は当日完売御礼。
再販を望む声も多く、主催の一人に頼んで取り置いてもらってなければ私の手元には絶対にない。という状況と聞いています。
ここでは、裏から取り置きを頼んで手に入れた岡メロ合同を読んで、取り置いてくださった感謝のひとつの現れとして、感想と、このムーブメントを遠巻きに見ていた者として思うことを一つ二つ書いてみようかと。
まず感想。
この『岡メロ合同』その構図からして「岡崎泰葉合同」ではなく「岡崎泰葉とメロンパン合同」というところが既に面白い。
構図のおかげで出来上がったものが、主催陣の対談1の言葉を引用すると、「泰葉をあまり知らない人でも気軽に参加できる大喜利」で、全体として「メロンパンってなんだよwww」的な空気感に仕上がっているように思った。
合同誌の構成も、漫画もSSもギャグテイストな寄稿が多く寄せられている。メロンパンのリアルレシピが2回も3回も出てくる(何故)
でも表紙からめくっていると、あるギャグ調で始まった漫画のページをめくった後の大ゴマではっとする。
「あっこれ、単なる大喜利本じゃねぇ」と。
「星」をキーワードに持つモバマスアイドルは何人かいるけど泰葉もその内の一人。その漫画は「星」と「思い出」を話しの中心に据えたもので、大まかに「岡崎泰葉に取ってメロンパンは何か『贈り物』、『思い出』に根ざすものらしい」ということがわかってくる。
つかみはオーケーというやつだ。
そして満を持して出てくるのが泰葉P渾身のSSS(シリアスショートショート)。
「メロンパン」から構想を広げてかつてモバマスで共演(同じガチャかイベントかは忘れた)したアイドルと絡めてみたもの、そして岡崎泰葉の芸歴に重きを置いて「メロンパン」とはもしかしたらこんなキーアイテムなんじゃないの、と書かれたもの。
後者のSSはもしたら「岡崎泰葉を知るものが岡崎泰葉を知るものに向けて書いた」のではないか。とちょっと思った。じゃれあいのようなものを感じる。
私はそんなに詳しくないので「我こそは」と思う人は本人に凸撃してみよう!(責任は負いません)
それはそれとして、「芸歴」を主眼に持って来ることで、「アイマスの中で他に類を見ないほど芸歴が長い彼女2が歩んできた道」を一つの形として著した作品となっている。多くの人に読んで欲しいと思う。
テクニカルな話をすると、作品名とか、「これほど泰葉は名の知れた存在なのか」とイメージしやすい表現が随所に入っていて世界観がきっちり構築されているからか、読んでて安定感があって非常に読み易い。そしてリアルだ。
その後続く大喜利の後、主催の描く漫画が出てくる。
これも「星」と、もう一つ「アンドロイド」をテーマに持ってきた作品。
こと「アンドロイド」というモチーフを持ってくる元となっている「[プラネットスター]岡崎泰葉」のカードは泰葉にとって大きな転換を迎えた(直後)のカード。カード自体に付随するセリフはもとより、そのカードが上位報酬となったイベントでのセリフが非常に印象的なのだ。
で、この主催の漫画はイベントと同じように、地球へ行くところで幕を閉じる。
それが寄稿として収録されたラストの作品となり、地球へもどった読者は思うわけだ。
はぁ〜、岡メロは宇宙だ。
と。
ここから『岡メロ合同』に至る流れを外から見ていて思った事。(下世話にはばかりなく失礼させてください……)
正直、Twitterで生まれては消えていく「泰葉いじり」の一端がこんな形で結集するなんて毛ほども思っていませんでした。
泰葉TLには(泰葉TLってなんだよ)、本当にいくつもの「泰葉いじり」が生まれては消えていき、その中には人を不快にさせかねないものもあるんじゃないか。と思っていました。
(某百科にいまだ眠っている「○葉=泰葉」ネタを掘り起こしてみたらそういうリアクションを起こす人もいた)
しかしこうして、一過性のネタに過ぎないと思っていた「岡崎泰葉とメロンパン」というキーワードが薄くない本に結集すると、「なんぞ行動力って侮れんなぁ」という気持ちになっていく。
この合同誌がこうして人を集めた要因や、完売した要因を分析するのは対談1にて詳しく語られているけど、ニコ生をやってみたり、番組に投稿してみたり、という行動を起こす事が、結果に直結するんだなぁとシビアな事を考えてみたりします。
「こまめにサーチしてふぁぼってRTする」という行動だって、単純で手軽なようだけど非常に効果的でしょう。対談1で「僕の周りの人たちがメロンパンの写真をツイッターにあげて「はぁ~」って呟く、というような活動もやってくれて……」(対談1より抜粋)と言っているのも、「そうするとふぁぼとRTが飛んでくる」というのは「メロンパンを買って投稿する」モチベーションにつながり易い。
でも、手軽な事でも積み上げていく事が難しいことだっていうのも、行動を起こす事がむずかしいっていうことも!
僕らはよくわかっているはずなのです。
できるひとはすごい。
『岡メロ合同』、あとがきには「100%真面目で100%冗談」との言葉があるのですが、とにかく本誌はそれに尽きるな、と思います。
対談1で語られているように、「岡崎泰葉合同では、岡崎泰葉を知っている人が手にとって、岡崎泰葉を知っている人が喜ぶ」ものになってしまう。嫌な話をするなら、それが総選挙で常に上位にいるアイドルならそれでもいい。むしろ岡崎泰葉が常に総選挙上位にいるアイドルならば、『岡崎泰葉合同』を岡崎泰葉を知らない人が手に取る。しかし残念ながら、岡崎泰葉はそうではないのです。
ではどうするのか。
そのアンサーとして、「「なんだか岡崎泰葉界隈盛り上がってるじゃん!」というようなムーヴメントになれば一番いい」(対談1より抜粋)として、「100%真面目で100%冗談」で作りきったこの合同誌。「岡崎泰葉ここにあり」と大きく旗を振る、泰葉P渾身の一撃のように思います。
前者のSSS(シリアスショートショート)にはこんな一節があります。
「(略)ちょっとしたことだけど、私の中で確かに『楽しい』って思えることが、ステージの重さをそっと支えてくれるんです」
「……それって、余計な邪念……とは、違うの?」
「そうでもある……かもしれません。でも、楽しむ気持ち……(略)そういう気持ちを抱きながら真面目に取り組むって、……決して相反することじゃないと、私は思います(略)」
(AD田中『岡崎泰葉がメロンパンを食べ損ねる話』)
「岡崎泰葉はライブ前にメロンパンの事を思い浮かべて調子を整える」という衝撃の設定について語る台詞。
「メロンパンかよっ!」って言われるようなこと。
それこそがTwitterのネタも、リアル世界におけるモバマスアイドルプロデュースも、この合同誌の本質なのかなぁ。
ところで、収録作品の個人的イチオシは
サナサノ氏の『MPが足りない』
超好み。みんな読め。
こんなのも https://shindanmaker.com/668421
脚注
1 http://usagoe716.hatenablog.jp/entry/2016/09/05/000000
2 デレステによると彼女の芸歴は11年。つまり本家アイマスとほぼ同じ
ツイート
という合同誌が、2016年9月25日のカラマスセブンにて頒布されていたそうです。
一応、「岡崎泰葉をメインにした初の合同誌」を銘打って頒布されたもの。
そうですというのは、私は会場に行くどころかイベントの日時すら把握していなく、
「TLでネタにされていたものがどうやら合同誌として結集するらしいな」
という程度にしか思っていなかった。なので他人事なのだ。
結果として岡メロ合同は当日完売御礼。
再販を望む声も多く、主催の一人に頼んで取り置いてもらってなければ私の手元には絶対にない。という状況と聞いています。
ここでは、裏から取り置きを頼んで手に入れた岡メロ合同を読んで、取り置いてくださった感謝のひとつの現れとして、感想と、このムーブメントを遠巻きに見ていた者として思うことを一つ二つ書いてみようかと。
まず感想。
この『岡メロ合同』その構図からして「岡崎泰葉合同」ではなく「岡崎泰葉とメロンパン合同」というところが既に面白い。
構図のおかげで出来上がったものが、主催陣の対談1の言葉を引用すると、「泰葉をあまり知らない人でも気軽に参加できる大喜利」で、全体として「メロンパンってなんだよwww」的な空気感に仕上がっているように思った。
合同誌の構成も、漫画もSSもギャグテイストな寄稿が多く寄せられている。メロンパンのリアルレシピが2回も3回も出てくる(何故)
でも表紙からめくっていると、あるギャグ調で始まった漫画のページをめくった後の大ゴマではっとする。
「あっこれ、単なる大喜利本じゃねぇ」と。
「星」をキーワードに持つモバマスアイドルは何人かいるけど泰葉もその内の一人。その漫画は「星」と「思い出」を話しの中心に据えたもので、大まかに「岡崎泰葉に取ってメロンパンは何か『贈り物』、『思い出』に根ざすものらしい」ということがわかってくる。
つかみはオーケーというやつだ。
そして満を持して出てくるのが泰葉P渾身のSSS(シリアスショートショート)。
「メロンパン」から構想を広げてかつてモバマスで共演(同じガチャかイベントかは忘れた)したアイドルと絡めてみたもの、そして岡崎泰葉の芸歴に重きを置いて「メロンパン」とはもしかしたらこんなキーアイテムなんじゃないの、と書かれたもの。
後者のSSはもしたら「岡崎泰葉を知るものが岡崎泰葉を知るものに向けて書いた」のではないか。とちょっと思った。じゃれあいのようなものを感じる。
私はそんなに詳しくないので「我こそは」と思う人は本人に凸撃してみよう!(責任は負いません)
それはそれとして、「芸歴」を主眼に持って来ることで、「アイマスの中で他に類を見ないほど芸歴が長い彼女2が歩んできた道」を一つの形として著した作品となっている。多くの人に読んで欲しいと思う。
テクニカルな話をすると、作品名とか、「これほど泰葉は名の知れた存在なのか」とイメージしやすい表現が随所に入っていて世界観がきっちり構築されているからか、読んでて安定感があって非常に読み易い。そしてリアルだ。
その後続く大喜利の後、主催の描く漫画が出てくる。
これも「星」と、もう一つ「アンドロイド」をテーマに持ってきた作品。
こと「アンドロイド」というモチーフを持ってくる元となっている「[プラネットスター]岡崎泰葉」のカードは泰葉にとって大きな転換を迎えた(直後)のカード。カード自体に付随するセリフはもとより、そのカードが上位報酬となったイベントでのセリフが非常に印象的なのだ。
で、この主催の漫画はイベントと同じように、地球へ行くところで幕を閉じる。
それが寄稿として収録されたラストの作品となり、地球へもどった読者は思うわけだ。
はぁ〜、岡メロは宇宙だ。
と。
ここから『岡メロ合同』に至る流れを外から見ていて思った事。(下世話にはばかりなく失礼させてください……)
正直、Twitterで生まれては消えていく「泰葉いじり」の一端がこんな形で結集するなんて毛ほども思っていませんでした。
泰葉TLには(泰葉TLってなんだよ)、本当にいくつもの「泰葉いじり」が生まれては消えていき、その中には人を不快にさせかねないものもあるんじゃないか。と思っていました。
(某百科にいまだ眠っている「○葉=泰葉」ネタを掘り起こしてみたらそういうリアクションを起こす人もいた)
しかしこうして、一過性のネタに過ぎないと思っていた「岡崎泰葉とメロンパン」というキーワードが薄くない本に結集すると、「なんぞ行動力って侮れんなぁ」という気持ちになっていく。
この合同誌がこうして人を集めた要因や、完売した要因を分析するのは対談1にて詳しく語られているけど、ニコ生をやってみたり、番組に投稿してみたり、という行動を起こす事が、結果に直結するんだなぁとシビアな事を考えてみたりします。
「こまめにサーチしてふぁぼってRTする」という行動だって、単純で手軽なようだけど非常に効果的でしょう。対談1で「僕の周りの人たちがメロンパンの写真をツイッターにあげて「はぁ~」って呟く、というような活動もやってくれて……」(対談1より抜粋)と言っているのも、「そうするとふぁぼとRTが飛んでくる」というのは「メロンパンを買って投稿する」モチベーションにつながり易い。
でも、手軽な事でも積み上げていく事が難しいことだっていうのも、行動を起こす事がむずかしいっていうことも!
僕らはよくわかっているはずなのです。
できるひとはすごい。
『岡メロ合同』、あとがきには「100%真面目で100%冗談」との言葉があるのですが、とにかく本誌はそれに尽きるな、と思います。
対談1で語られているように、「岡崎泰葉合同では、岡崎泰葉を知っている人が手にとって、岡崎泰葉を知っている人が喜ぶ」ものになってしまう。嫌な話をするなら、それが総選挙で常に上位にいるアイドルならそれでもいい。むしろ岡崎泰葉が常に総選挙上位にいるアイドルならば、『岡崎泰葉合同』を岡崎泰葉を知らない人が手に取る。しかし残念ながら、岡崎泰葉はそうではないのです。
ではどうするのか。
そのアンサーとして、「「なんだか岡崎泰葉界隈盛り上がってるじゃん!」というようなムーヴメントになれば一番いい」(対談1より抜粋)として、「100%真面目で100%冗談」で作りきったこの合同誌。「岡崎泰葉ここにあり」と大きく旗を振る、泰葉P渾身の一撃のように思います。
前者のSSS(シリアスショートショート)にはこんな一節があります。
「(略)ちょっとしたことだけど、私の中で確かに『楽しい』って思えることが、ステージの重さをそっと支えてくれるんです」
「……それって、余計な邪念……とは、違うの?」
「そうでもある……かもしれません。でも、楽しむ気持ち……(略)そういう気持ちを抱きながら真面目に取り組むって、……決して相反することじゃないと、私は思います(略)」
(AD田中『岡崎泰葉がメロンパンを食べ損ねる話』)
「岡崎泰葉はライブ前にメロンパンの事を思い浮かべて調子を整える」という衝撃の設定について語る台詞。
「メロンパンかよっ!」って言われるようなこと。
それこそがTwitterのネタも、リアル世界におけるモバマスアイドルプロデュースも、この合同誌の本質なのかなぁ。
ところで、収録作品の個人的イチオシは
サナサノ氏の『MPが足りない』
超好み。みんな読め。
こんなのも https://shindanmaker.com/668421
脚注
1 http://usagoe716.hatenablog.jp/entry/2016/09/05/000000
2 デレステによると彼女の芸歴は11年。つまり本家アイマスとほぼ同じ
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