八月の読書日記。好みとしては米澤穂信、恒川光太郎がお気に入り。ミステリ、推理が割と好き。自分から手を出すことは少ないが、推されると弱い。基本的に濫読派。 不定期更新です。キーワードは『宵の徒然』
『冷たい校舎の時は止まる』(辻村深月/講談社文庫)
読了~
何でもいぃけれどこの本、読みながらひどく不快になった所があります。
粗筋を説明するならば、
ある雪の日、いつもの通りに学校に向かった学級委員の七人は、しかしどうやら学校には彼らしか来ていないことに気が付く。
そのうち玄関(作中の表現による わたしだったら昇降口とするところ どうでもいいけど)が開かないことに気が付いて……
閉じ込められた校舎の中で彼らは気が付く。
「二ヶ月前、文化祭の最終日に自殺したクラスメートの名前が、思い出せない」
ことに。
言ってしまうと、この校舎は誰かの精神世界で、そこから出るには“自殺したのが誰か”を思い出す必要があるのです。
いくら記憶を探っても、誰一人として思い出せないまま、彼らは危機にさらされていく……
“自殺した誰か”の記憶の片鱗を見せながら、思わせぶりな文章が続きながら、彼らは一人、また一人と姿を消して行きます。
でもね、はっきり言うと、“誰が自殺したのか”は上巻が終わる頃にはっきり判ります。見当が付くと言うのか、「〇〇だろうな」って。
考える程にその見当は確信に変わるのですが、下巻の中頃(正直ここまでくると明らか)にはしっかりと固有名詞を出しながらのミスリードが存在したり、(具体的に言うと「何で自殺なんか……」「ごめんなさい」みたいな会話。解決編にも見える)さらには“解決編”と名前の付いた章の手前に「あなたは自殺した人を誰だと考えますか」的な問題の付いた解答用紙が付いていて、正直“莫迦にしてるのか?”と思いました。“こんな簡単な問題で迷わせていると思ってんのか?”と。
当たっていましたしね。わたしの予想。
それでもわたしはこの作品にAを付けたい。
間に二冊の本を読み終えたとはいえ、読むのに二ヶ月のも時間をかけたこの本。
その理由には、
“続きが気にならない”という致命的な理由もあったのですが、
“寒い日に読みたい”と思っていました。
でも最近の陽気の中で読んで、気が付いた。
この本、
読んでると背筋が冷える
それだけの力がありました。
雪の降りしきる冷たい校舎の中、彼らの感じる不安とか恐怖とかが紙面の向こうのわたしに押し寄せてくるような。
オススメ。
Amazonのレビューでは以外に賛否両論のようで。
成る程、中にはページを繰るのがイヤになるような冗長な部分もありますが、それすら最後のどんでん返しへの伏線。
無駄なように見えても、全てのピースがあるべき場所に急速に収束していく様には身震いが止まらなかった。
そして全てが終わった後の爽やかなラスト。
【終わり良ければ全て良し】って言葉を本の感想に使うのは好きじゃないのですけれど、まぁ、この作品の読後感(?)はそれに近いものがあると思います。
えぇ、えぇ、“全て良し”ですとも。
次の彼女の本も読もう。できれば二段になっているノベル形式で。
内容★★★★☆
文章★★★★☆
総合★★★★☆[優]
§いつもコメントありがとうございます ←遅い
>>サカつく先生
然り。
こんなときに「やっぱり一番必要なのはその職業を良く知ることなんだな」と思います。
「本を読まずして作家にはなれないのだな」と感じますね。
わたしは大学に合格したらまた頑張ってみようかと思っております。
中身はなくてもこまめに更新。でもキーワードは「宵の徒然」。記録/回想今後ともよろしくです。
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読了~
何でもいぃけれどこの本、読みながらひどく不快になった所があります。
粗筋を説明するならば、
ある雪の日、いつもの通りに学校に向かった学級委員の七人は、しかしどうやら学校には彼らしか来ていないことに気が付く。
そのうち玄関(作中の表現による わたしだったら昇降口とするところ どうでもいいけど)が開かないことに気が付いて……
閉じ込められた校舎の中で彼らは気が付く。
「二ヶ月前、文化祭の最終日に自殺したクラスメートの名前が、思い出せない」
ことに。
言ってしまうと、この校舎は誰かの精神世界で、そこから出るには“自殺したのが誰か”を思い出す必要があるのです。
いくら記憶を探っても、誰一人として思い出せないまま、彼らは危機にさらされていく……
“自殺した誰か”の記憶の片鱗を見せながら、思わせぶりな文章が続きながら、彼らは一人、また一人と姿を消して行きます。
でもね、はっきり言うと、“誰が自殺したのか”は上巻が終わる頃にはっきり判ります。見当が付くと言うのか、「〇〇だろうな」って。
考える程にその見当は確信に変わるのですが、下巻の中頃(正直ここまでくると明らか)にはしっかりと固有名詞を出しながらのミスリードが存在したり、(具体的に言うと「何で自殺なんか……」「ごめんなさい」みたいな会話。解決編にも見える)さらには“解決編”と名前の付いた章の手前に「あなたは自殺した人を誰だと考えますか」的な問題の付いた解答用紙が付いていて、正直“莫迦にしてるのか?”と思いました。“こんな簡単な問題で迷わせていると思ってんのか?”と。
当たっていましたしね。わたしの予想。
それでもわたしはこの作品にAを付けたい。
間に二冊の本を読み終えたとはいえ、読むのに二ヶ月のも時間をかけたこの本。
その理由には、
“続きが気にならない”という致命的な理由もあったのですが、
“寒い日に読みたい”と思っていました。
でも最近の陽気の中で読んで、気が付いた。
この本、
読んでると背筋が冷える
それだけの力がありました。
雪の降りしきる冷たい校舎の中、彼らの感じる不安とか恐怖とかが紙面の向こうのわたしに押し寄せてくるような。
オススメ。
Amazonのレビューでは以外に賛否両論のようで。
成る程、中にはページを繰るのがイヤになるような冗長な部分もありますが、それすら最後のどんでん返しへの伏線。
無駄なように見えても、全てのピースがあるべき場所に急速に収束していく様には身震いが止まらなかった。
そして全てが終わった後の爽やかなラスト。
【終わり良ければ全て良し】って言葉を本の感想に使うのは好きじゃないのですけれど、まぁ、この作品の読後感(?)はそれに近いものがあると思います。
えぇ、えぇ、“全て良し”ですとも。
次の彼女の本も読もう。できれば二段になっているノベル形式で。
内容★★★★☆
文章★★★★☆
総合★★★★☆[優]
§いつもコメントありがとうございます ←遅い
>>サカつく先生
然り。
こんなときに「やっぱり一番必要なのはその職業を良く知ることなんだな」と思います。
「本を読まずして作家にはなれないのだな」と感じますね。
わたしは大学に合格したらまた頑張ってみようかと思っております。
中身はなくてもこまめに更新。でもキーワードは「宵の徒然」。記録/回想今後ともよろしくです。
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